日に何度早馬を出させるこ

日に何度早馬を出させるこ

日に何度早馬を出させることになるか、その上で良くも悪くも承認や却下、修正案のやり取りをするのは手間だ。では権限を司徒の王允に与えてしまえばと言う話もあるが、何せ子飼いの部下以外はまだ信用してはいけない。

「洛陽を手放しては利用される恐れがあるな…………ふむ」

 あごひげを撫でて目を細める、何を考えているのかはわからないが邪魔をしないように皆が物音を立てずに気配を消そうと努力した。

「賈翅よ、洛陽にある財貨と民を全て長安へ移すのだ」

「す、全てで御座いますか?」

 どれだけ恐ろしいことを言っているのかはその場の全員が理解していた、董卓本人もだ。

「反乱軍にやる位ならば、緊急避孕藥 何もない方が良かろう」

未央宮では朝議が再開されていることでしょう。政務機能を疎開させましたが、董卓様の承認は必要であります。このままでは決裁にかなりの時間が掛かってしまいますので、董卓様も長安に参られてはいかがでしょうか」「董卓様のお考えは素晴らしいですが、一定数の者が拒否することが想定されます」

 認めつつも意見を出す、交渉の基本は相手を肯定することだ。大体にして住居を移すのは大事であるし、誰しもが歩けるわけでもない。そんなことは先刻承知で「そうか、では洛陽には住めぬようにしてしまえば良かろう。財貨を集め長安へ送り、火を放ち洛陽を焼け。そうすれば民も長安へ行くしかなくなる」直ぐには声が出なかった、都を役などと言われ、すんなりと受けれられるものはどれだけいるだろうか。

「道幅も限られており、同時に皆がとは行きません。それに富豪から財貨を取り上げるのと違い、民からではかなりの時間が掛かるでしょう」

 ダメとは言わずにいつになるかわからないと答えておく、董卓はこの物言いが嫌いではなかった、ゆえに賈翅が末永く側近を務めていられた。

「では富豪からは没収し、皇族の墓を暴いて副葬品を集めよ。それが終わり次第、街を焼くのだ」

「御意に。して、誰にそれを命じましょう?」

 これ以上の反対は身の危険を呼んでしまう、引き際を感じたのでさっさと仕置きを決めてしまうために問いかける。手勢もなく、何よりもそんな恐ろしいことは出来るだけ自分は関わりたくない、全員がそう願った。

「呂布にやらせよ、あいつならば文句も言うまい。胡軫には防備が薄くならぬように警戒する旨言い聞かせておけ」

 祐筆に命令を文書にさせると相国の印を貰う。押印するとそれを使者に持たせて一件を仕舞とした。このままで終わるわけにもいかずに更に話を続ける。

「荊州の件についても報告が御座います。段猥殿」 こちらの担当である者が冷や汗を拭いながら報告する。

「ええ、南陽の袁術らについてで御座いますが、元荊州刺史王叡に、南陽太守張諮らを殺害しその印綬を奪った後に連合軍への合流をはかっているようなのです」

 段猥の説明は若干の時間が前後している部分があった。長沙太守の孫堅が、王叡と張諮を殺害した後にどうしたののかと考えていると、洛陽から逃げ出した後将軍の袁術と接近できたのでそいつを祭り上げたのだ。

 その上で、劉表を荊州刺史として奏上し、董卓も認めていた。何せ実際に支配しているのだから仕方ない、認めないのであれば討伐軍を差し向けて敵対する必要がある上に、統治上の問題があると世に晒しているのと同義だから。

「どいつもこいつも儂に背きおってからに……して、どのような対策をしている」

 各地で奇跡的な武功を重ねてきている孫堅、間違いなくこの時代のこの時点で中華全土五指に入る戦上手として認識されている。敵にするよりも味方にすべきだと、奏上を全て承認してきたというのに結果反旗を翻している。董卓でなくとも腹立たしくは思うだろう。

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